#2 テーマランドは映画のように
ディズニーランドやディズニーシーには1つしか入口がない
ディズニーランドへ行ったことがある方ならご存知かと思うんですが、ディズニーランドの入口って1ヶ所しかないですよね。よく考えてみると、普通それなりの動物園や遊園地なら2~3ヶ所入口があるもんです。80haもあるディズニーランドほどの広大な規模なら、4~5個あってもいいってもんです。その方が便利だしね。でもディズニーランドには1つしか入口はありません。それには理由があるんです。
かつて、アメリカ・カリフォルニア州のディズニーランドを計画した時も、その話は議論になったそうです。ただ、そこを断固拒否したのが、かのウォルト・ディズニー。ウォルト・ディズニーは、前回も書いた通りディズニーランドがバックグラウンドストーリーを持ったテーマランドによって構成されているからです。映画を途中から見始めたら登場人物もストーリーも分からなくなってしまうのと同じように、ディズニーランドも全ての訪問者が同じ入口から入ることによって、現実の世界からディズニーランドという夢と魔法の世界に流れるストーリーへとスムーズに入っていけるようにしたかったのだそうです。
ディズニーランドは、古き良きアメリカ「ワールドバザール」からストーリーが必ず始まり、各テーマランドのストーリーを体験して、最後にワールドバザールでストーリーが必ず終わります。この流れは変えることができません。でも、そうすることでワールドバザールは訪問者が現実と夢の世界への橋渡し役となり、ディズニーランドという1つのテーマを十分に堪能することができるんです。
テーマランドとテーマランドを分けるためのこだわり
東京ディズニーランドにはワールドバザールをはじめ、7つのテーマランドがあります。ディズニーランドでは、異なる2つのテーマランドをスムーズに移動できるような工夫も施されています。例えば、アドベンチャーランドからウェスタンランドに移動するとしましょう。この隣接する2つのテーマランドの間には建物や木々が建っており、テーマランドの境目に来るまで別のテーマランドの全貌が見えないように工夫されています。また、アドベンチャーランドとウェスタンランドではそれぞれ異なるBGMが流れています。BGMについても、テーマランドの境目に滝を配置することによって、滝の音にかき消されアドベンチャーランドのBGMが自然とフェードアウトし、ウエスタンランドのBGMが自然とフェードインしていくよう工夫されています。こんな所まで、ゲストが異なるテーマを持ったテーマランドを無意識に移動できるような演出が加えられています。
それは、ディズニーシーも同じです。例えば、ミステリアスアイランドとマーメイドラグーンの間には滝があるし、マーメイドラグーンとアラビアンコーストの間には城壁があるし、メディテレーニアンハーバーとアメリカンウォーターフロントの間には小高い橋がその境界を分けています。そんな所も考えながらパークを巡ってみると、いつもとはまた違った楽しみができるかもしれません。
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